ハピネス都市 京都/クオリア京都
- 20世紀はお金と資源、規模とスピードが重視された時代であった。新しい時代の競争力は、「知と感性と文化」になる。
- 京都が攻めの思考で発展するために、新たな成長を評価とする尺度に変えなければならない。そのため、幸福を原点としたまちづくりへの発想の転換が求められている。
- 自分の望む生活や人生を、京都というまちの中で、自分の思うように選べること。
- 自分の人生の見通しを自分で考え、ある程度考え通りに実現できること。
- 自分の意志に耳を傾けてもらえる具体的な入口や風土があること。
京都に感じる誇り~1、代々受け継がれている本物の文化。2、三山に囲まれた豊かな自然。3、食文化。4、ノーベル賞受賞者を輩出した教育水準。5、世界トップレベルの技術力をもつ企業。/京都を日本のふるさとに~それが京都人が目指したい京都の姿です。産業が高度化し、情報ネットワークが広がりバーチャルリアリティが蔓延しても、京都はリアルな日本人の原風景として進化を続ける。/京都の欠点~1、京都市財政の悪化。2、排他的な文化。3、複雑な人間関係。4、市政に京都らしさがいかされていない。伝統産業が不振で雇用先が確保しにくい。/京都らしい行政を~それが京都市民が求めている行政です。京都は豊かな資源を持ちながら、それを充分に活用できていない。人間関係が硬直化し知のモビリティが起こりにくい。この閉塞感を打ち破る。
- 京都のまちと人材という資源を活用して、世界最先端のクリエイティブ都市を目指そう。
- 志と意思をもつ京都の中小企業や伝統工芸の技術継承と深化の為に、「学び・教え合う場」をつくり、イノベーションを起こそう。
- リアルな人間関係を結べるように、住む人、観光客が一体となって参加できるソーシャル・ビジネスを始めよう。
経済成長は環境破壊を招き、精神的なストレスを増やしました。人の幸福を増やすための変革も、既存の幸福を損なうことがあります。このような幸福のトレード・オフを勘定に入れて幸福を捉えることを「幸福会計」と名付けました。
京都の幸福指標は、全体を「成長性」「安定性」「収益性」の三つの視点で評価し、幸福のマイナス面も「幸福会計」に入れます。また、総合的に京都人の生活の質を評価し、政策に反映するための指標とします。
(社)京都経済同友会「ハピネス」特別委員会は、京都クオリア研究所とともに今後さらに検討し、2012年度に試案を発表する予定です。
京都は、暮らす人にとって誇りと期待の高いまちであり、訪れる人にとっても魅力的なまちとなっていますが、厳しい財政状況を抱えています。若い世代の所得が低く将来への期待がなくなりつつあり、このままでは閉塞感が広がるばかりです。
財政や経済成長といった金銭的な勘定だけで問題解決をせず、幸福感を尺度とした「ハピネス都市」の実現は、金銭的な状況も改善へとつながるはずです。これまでと違う視点で行政を見直し、住民一人ひとりが誇りを持ち続けられる「京都らしい」行政が望まれています。