21世紀はフリーターの時代だ!

 「フリーターの若者が多く、いい加減な職業観を持つ若者が増えている」とメディアは報じていますが、本当にそうでしょうか。

 私は、一般に言われるほどフリーターを問題だとは思っていません。なぜなら、フリーターにも大きく分けて二通りあるからです。一つは、目的もなく正規の社員よりも気楽で、時には収入が多く得られるから、正規の職業に就かない人。もう一つは、結果的に現在はフリーターと言われているだけで、自分の夢やプロジェクトを持っている人。後者の人は、外から見ればフリーターなのですが、自分できちんと人生設計を持っている人です。

 例えば、正規の会社に入れば、5?7年の間は自分の意志をほとんど聞いてもらえません。エリートコースであろうが無かろうが、会社の提示する「定食メニュー」を必ず食べて、全部の定食を全部食べて「こいつは一通り飯が食えるな」ということで準管理職などに就きます。そこから始めて、じぶんの思っていることがようやくできるようになります。しかし、そこからでは当初の思いの1/3や1/4とかしかできません。
「そんなのはかなわない。私は最初の3年間でこういうことがしたい。これができれば、もう少しこういうこともしたい」というわけなのですね。

 このような人は、外から見たらフリーターですが、メディアが言うようなフリーターとはおよそ違うしっかりした考えがある人です。

 私は、このような彼らと話をする機会がありましたが、有名会社に正規社員として勤めたら後は何とかなるだろう、と考えている人よりも、遙かに尊敬すべきで、頼りになる考えを持っているな、と感じました。

 実際にフリーターの道を選ぶのも大変で、挑戦、挑戦、また挑戦の道を自ら選んでいるのですから、これも一種のベンチャーと言えるのではないでしょうか。

 もちろん、生きていく上ではある程度のお金は絶対必要です。しかし、それも程度の問題です。今の日本の状態であれば、倍の賃金か自由度のどちらを求めるかと言えば、自由度の方が大きいのではないですか。

 私は自分のことを「元祖フリーター」と言っているのですが、ベンチャーというのは、全部フリーターとも言えるのではないでしょうか。
 私は、フリーターもベンチャーも、決して無くならないと思います。というのは、自分が好きなことを制限なしにできる方法だからです。

 これから数年のうちに、いわゆる団塊の世代がどんどん退職します。彼らは会社からの給料で生活を保障されながら、自分の職責の中で沢山のノウハウを蓄積しています。そして会社を辞めるときには一定の社会的立場、資産、ネットワークを有しており、若くして起業する人と比べるといい条件でスタートを切れます。つまり、団塊の世代は高級フリーターの時代がやってきていると言えるのではないでしょうか。

トラックバック(0)

このブログ記事を参照しているブログ一覧: 21世紀はフリーターの時代だ!

このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.goodkyoto.com/mt/mt-tb.cgi/40

コメントする

このブログ記事について

このページは、goodkyotoが2008年2月14日 11:26に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「私がブログを始めた訳」です。

次のブログ記事は「脱・ネガティブ発想」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

(株)堀場製作所 社是

  • (株)堀場製作所 社是

著書

  • 堀場雅夫

プロフィール

  • 堀場 雅夫
    大正13年12月1日生まれ

    【学 歴】
    1946年 京都帝国大学 理学部 物理学専攻卒業
    1961年 医学博士号取得

    【職 歴】
    1945年 堀場無線研究所創業
    1953年 株式会社堀場製作所設立 代表取締役社長に就任
    1978年 株式会社堀場製作所 代表取締役会長に就任
    1995年 株式会社堀場製作所 取締役会長に就任
    2005年  株式会社堀場製作所 最高顧問に就任 現在に至る

    【現 職】
    ■財団法人 京都高度技術研究所 最高顧問
    ■京都科学機器協会 理事長
    ■日本新事業支援機関協議会(JANBO) 会長
    ■京都ナノテク事業創成クラスター本部 本部長
    ■独立行政法人 科学技術振興機構 JSTイノベーションプラザ京都 総館長
Counter